黒曜中学 校歌第2番
□骸、その心
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『骸?』
「はい?」
『これどう思う?』
「?・・・・」
ここは名無しさんの家。
日曜日の突然の骸の訪問に家で過ごしていた名無しさんは快く迎え入れた。
部屋に入ればリビングのラグの上に紅茶セットの置かれたトレーと何冊かの雑誌が置かれている。
太陽の降り注ぐそこで名無しさんがのんびり過ごしていた事が窺えた。
骸の紅茶も用意され一緒にラグに座る。
見れば雑誌は殆どがカタログ。
名無しさんは服や家具やコスメのカタログを見ていた。
「どこに置くんですか?」
『ん?寝室にね・・。ライトが欲しいの・・・』
名無しさんが見ていたのは照明のページ。
三角座りでカタログを見ていた名無しさんの横に骸は寄り添うように一緒にカタログを見た。
「もう少し背の高いものにした方がいいんじゃないですか?」
『うーん;・・サイドテーブルに置くかスタンドか悩んでるんだけどね・・・;』
そう言って名無しさんはカタログをペラペラ捲る。
骸はその穏やかな空気にただただ癒されているような気がした。
『Σあ・・;!ごめんね・・;折角遊びに来てくれたのに・・・』
熱心にカタログばかり見ている事に罪悪感を感じた名無しさんは気付いたように骸に謝罪した。
骸はキョトンとして・・少し笑う。
「いいえ♪僕も楽しいですよ?」
『本当に・・?』
「はい♪」
ただ傍に居るだけで楽しい。
楽しいというより落ちつく・・・
悩む名無しさんを見るのも、
助言を求める名無しさんに答えるのも・・・
ずっと穏やかな空気の中で骸はそっと名無しさんを後ろから抱きしめた。
三角座りの名無しさんを後ろからスッポリ包むように・・・
少し不思議そうに振り返る名無しさんだったが
「この方が一緒に見れます♪」
と言われ納得してニッコリ笑う。
無防備な名無しさんは嬉しいが少し不安にもなる。
・・・本当、僕以外の男ににそんな顔しないで下さいよ・・・?