reborn

□偶然
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「そう、だと思う…」
「……………」

私が質問に答えたら、また黙ってしまった

「ふーん、髑髏はあのパイナッポーの言う事だったらなんでもきくの?」

質問の意図がイマイチよくわからない

「うん、骸様は私の恩人だから。骸様がいなければ、私はここにはいないもの…」

なんでこんな事をきくのかは分からないけれど、
この事は変わる事のない事実だから。
それにしても、さっきからなんでよくわからない質問をしてくるのかな…?

話し始めたのは確か私が沈黙に耐え切れなくなって話し出そうとしたとき…
‥妙にタイミングがよかった…
たまたまかな?そういうことも起こらなくはないと思う、けど…
でも、もし違ったら…?
ああ、そうか。この人本当は…
ボソッと私は、私にだけしか聞こえないように口に出してみた。

「優しい、のね」

そうよね、骸様達が近づくなって言ってたからテッキリ怖い人なのかと思ってたけど、本当に怖い人がわざわざ道を案内してくれるわけない。
ただ、不器用なだけなんだ

「何笑ってるの」

気付いたら私、笑ってたみたい


「ううん、なんでもない」

沈黙が続いた時に急に話し始めたりしたのも、私が沈黙を嫌がっていたのに気が付いたからだったんだ

「ついたよ」

言われて辺りを見回してみると、黒曜ランドの目の前に着いていた。
思ったよりも早かった…
意外と近くだったのかな……?

「じゃあ、僕はこれで」

相手はもう帰ろうとしてる

「あ……、まって!」

すぐにでもいってしまいそうだったから、相手の袖を掴んで必死になって引き止めた

「…何?僕にもう用事はないんだけど」

本当にちょっと嫌そう…

「‥えと、ここまで案内してくれてありがとう…」
「別に、たいした手間じゃなかったから」

まだ少し冷たい…
でも…

「‥それと…」
「まだ何かあるの…?」

やっぱり冷たい…

「今日の雲の守護者の対決…頑張って。応援してる…恭弥。」

やっぱり私の事をちゃんと言い直してくれたんだから名前で呼ぶべきよね…

………あれ?なんか、下にふいてる…
気分でも悪いのかしら…?


「‥どうかしたの?恭弥」

私が顔を覗き込んだら、びっくりしたように顔を上げた

「顔、赤いよ?熱でもあるんじゃ…」

私がオデコを触ろうとしたら逃げられた

「‥っ、そんなんじゃない、大丈夫」

そんなに私に触られるの嫌だったのかな…?
まあ、いいや

「じゃあまたね、恭弥。今日はありがとう…楽しかった」

そう言って私が帰ろうとしたら

「髑髏」

と、呼び止められた
私が振り向くと

「‥今度、昼間に並中にきなよ」

といわれた
随分一方的に…

「でも、昼間は授業が…」
「そんなのサボりなよ」

本当に一方的…

「…わかった。じゃあ今度お邪魔するね、ボスにも会いたいし…」

そう言ったらまた少し不機嫌になった

「…まあ、いいんじゃない。じゃあね」

「…うん」

「そうだ、髑髏。その制服、やめたほうがいいよ」

「え、なんで…?」

「‥理由は自分で考えて…、困るのは自分だよ。」

ボソッ
「まあ、僕達も困るけど」

あれ、恭弥。今…

「何かいった?」
「いや、何も?じゃあね」

そういって帰ってしまった

「…………帰ろう」

今日は結構退屈しなかったな…恭弥のおかげかしら…

「…並中か…忙しくなくなったら行こうかな…」

突然いったらボスやみんな驚くかな?









END






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