reborn

□花見はみんなで
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朝、いつもは遅く起きてくるクロームが早く起きてきた。
理由を尋ねてみると

『今日は骸様がみんなで出掛けるから早く起きなさいって…』

だそうだ。そんな予定、あったかな?と考えているとクロームがボスと骸様で計画してたんだって…とタイミングよく教えてくれた。
いつもの様にめんどい、と答えると‥一緒に行かないの?と上目使いでクロームが聞いて聞いたので、めんどいけど、行くよ。と答えた。するとクロームは嬉しそうにうん、とだけ言った。

その後、犬が起きてくるまで、朝ご飯の準備をしている俺とそれを横から覗いているクロームの図が展開されていた。

「おはよう、犬」
「げ、朝最初に見るのがブサイク女らって最悪ら…」
「……犬」
「‥らって」
「…………」
「…しかたねーな」

起き抜けにクロームに暴言を吐いた犬をいつもどうり注意する。
犬も素直じゃないな、わざわざ虐めなくてもいいのに…めんどい。
そこまで考えていつものことなのに少し沈んでいるクロームが目に入った。

「クローム」
「…?なに、千種」
「犬の言ったことあんまり気にしなくていいよ」
「え…」
「ただの照れ隠しだから」

さっきのクロームに暴言を吐いたのを反省してかなんなのか、今まで黙っていた犬が、柿ピー何言ってんらよ!そんなのありえねーつのっ!!と口をはさんできたが無視。そうしたら更に音量をあげて、無視すんじゃねーれすよっ!と犬が言ってきたが更に無視。
クスッ、とその俺達のやりとりを見て微笑んだ。
よかった、元気になったみたい。

朝ご飯の準備もすんで、早速食べる
食べてる間にクロームと入れ替わった骸様が今日の予定を話してくれる。
要約するとこう。
午前10時に並盛公園でボンゴレ達と待ち合わせしているらしい。
今日は花見に行くそうだ。どうやらボンゴレ達に誘われたと言っていた。
僕にはお弁当の準備を、髑髏には花見に持っていくものの準備を命じた。
ついでに犬は命じても足を引っ張るだけと言われて何も言われなかった。
お弁当は朝ご飯の残りで十分こと足りるだろう。

話も聞き終わり、ご飯を食べ終わった後、それぞれ自室に戻り出掛ける準備をした
……俺は余り準備いらないけどね、武器くらい
準備も終わり自室で寛いでいたら、扉がコンコン、と二回なった

「………誰」

まあ、だいたい予想ついてるけど

「………千種、少しいい?」

やっぱりクロームか。
控えめに扉が開いてクロームが顔を覗かせた。
まだいいって言ってないけどね

「クローム、なに?」
「…………あの、ね」
「だからなに」
「…私、」

出掛けるのに何を持っていったら良いかわからないのと少し控えめに言葉にするクロームは、素直に可愛いと思う
まあ、それは置いておいて。

「…骸様に聞けばいいんじゃない」
「骸様は千種に聞けって」
「……………」
「……………」

骸様、俺に押しつけないでください。
全く、普段はクロームを人一倍可愛がっているくせに。こういうときは俺にやらせるんだから

「……千種?」
「…で?」
「え。」
「クロームは何を持って行きたいの?」
「…私?」

そうだよ、と言うと真剣に悩み始めるクロームは何時だって真剣だ。

「………三叉槍」

でてきた言葉がいくらふざけているように聞こえても。

「…………クローム」
「なに、千種」
「……………」
「……………」
「…まあ、いいや。三叉槍だけで良いの?」

麦チョコは。と聞くと素直に欲しい。と答えるクロームを見て犬もこのくらい素直なら楽なのに、と思った。

俺もクロームも犬も準備を終わらせて、やっとのことで並盛公園の前に着いた。

その後、ボンゴレ達と夕方まで公園で花見と称して騒ぎ、家に帰る途中で髑髏が呟いた。

「……楽しかった。また来たいな」
「……そうだね、来年は俺達が誘ってみる?」
「え、いいの?」
「俺は別に構わないけど…」

ちら、と犬の方を向くと、犬も意図に気づいたようで少し躊躇しながらも言葉を発した。

「お、俺は別に…骸しゃんが行くって言うんなら俺も構わないびょん」
「だって」

そういうと髑髏は満面の笑みで嬉しそうにしていた。


花見はみんなで
(来年も騒がしくなりそうだ)



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