reborn

□自覚
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何となく、気分が向いたから

ちょっと歩いてたら

気がついたら

隣町まで来てたんだ

ただ、それだけ


『自覚』


「「……」」

失敗した、こんな所まで来ていたなんて

ボーっとしてるんじゃなかった

「‥あの」

僕が後悔をしていたら、相手が話しかけてきた

「何」

少しイライラしていたせいで口調はトゲトゲしい

「えっと、その‥」

はっきりしないその態度にさらにイライラが募る

「だから何」

イライラしてるのがわかったのか相手が更にビクついた

「あっ、その‥なんでこんな所に…」

‥こんな事を聞くためにあんなにビクついていたのか?

自分には理解できない相手の態度を少し不思議に思う

「‥別に、ただ何となくだよ」

本当はいつの間にか来てしまったが正しいのだが、それは言わない

「あ、そうなの…」

沈黙が流れる

「で、何でまだ居るの。何か用?」

それから三分位たった後、さすがにこの空気耐えきれなくなり僕から話しかける

「いえ、そういう訳じゃ…ただ」

相手は底で言葉を止めた

「ただ、何」

中途半端な所で言葉を句切られ、先が気になるので、言うように促す

「ただ、何となく…此処に居たいなって思って」

ただ、何となく?こんな道の真ん中に?

言葉の意味がわからない

「居たいって、こんな道の真ん中に?変わってるね」
思ったままの言葉が口をついた

「えっ、違っ、此処だけど道じゃなくて…」

道じゃないって、此処は道だろう

相手には此処が他の所に見えて居るんだろうか

「その‥き、恭弥の近くに居たくて…」

相手が顔を真っ赤にしながら言葉を紡ぐ

「「………」」

暫くの沈黙

「近くって、僕の?」

先に口を開いたのはさっきと同じく僕

「‥そう…」

聞き取れるか聞き取れないかの大きさの言葉を紡ぐ

いまだに顔の熱が退いてない様子だ

「そう」

顔には出てないが、心臓はかなり早く脈をうっている

「あの、良い…?」

不安そうに見上げてくる大きな瞳

良いとは一緒にいても、という事だろう

「別に、好きにすれば」

そういった瞬間、満面の笑みを浮かべる

可愛い、突然頭に浮かんだ言葉

僕は相手いや、彼女、髑髏が好きなのかな?

浮かんだ言葉は自分が人に対して抱くことはないと思っていた感情

でも、意外とすんなり受け止められた

あぁ、そうか

僕は髑髏が好きなんだ、と

認めてみたら意外と心地良くて

自然と笑みが零れてきた

「‥?恭弥、どうかした…」

笑っている僕をみて、不思議そうに訪ねてくる

「別に、何でもないよ」

顔の笑みはそのままに答える

「そう…?」

自覚はしたけどこの想いはまだ伝えない

もう少ししてから、伝えようかな

‥それまでは、この微妙な関係を楽しむことにしようか

僕が想いを伝えた後に、彼女に拒否権はないしね

それまでは、精々楽しみなよ、髑髏
































END.

→アトガキ

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