silver soul
□無自覚
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「九衛兵さん!銀さん!大丈夫でしたか?」
船の運行が正常に戻り、一段落ついたところで新八君が聞いてきた
「あぁ、無事だ」
「大丈夫な訳ねぇだろ!まったく、何考えてんだこの船の船長は!危うく海にドボンするところだったぜ」
僕が新八君に答えた後、銀時とか言う奴は文句を言いながら、さりげなくお妙ちゃんの所へ向かった
怪我がないか確認しににでもいったのだろうか
「こうしてはおれん。僕も行かなくては…」
一緒にお妙ちゃんの無事を確かめに行こうとしたら
「待ってください」
と新八君に引き止められたなんだ?と思い振り返ったら、手、怪我してますよ。手当てするから待っていてください。と言われた
「だ…」
…いじょうぶと続けようとしたが。「待っていてください」と捻を押されやむおえなく待つことにした
「‥ハァ…」
それにしても、最初の頃は気が付かなかったが、
たまに新八君は有無を言わせない感じで脅す‥とはまたちょっと違うが、人を制するな…
普段は感じないが、そういう時は無意識のようだが、圧力をかけているんだよな。
あぁ、されるともう何も言えなくなってしまう
「九衛兵さん。」
いつまにやら戻ってきていたらしい新八君に声をかけられた
「あぁ、新八君。戻ってたのか」
「はい。手を出してください」
右手に持っていた救急箱を地面に置き開いた
「「……」」
しばらく沈黙が続き、何か話した方がいいのかと考えを巡らしていたら。「‥九衛兵さん。」と、先に新八君が声を発した
「何だ?」
と問い掛けたら
「あまり、無茶はしない方がいいですよ?九衛兵さんだって姉上と同じ女の子何ですから」
と少し冗談交じりに言われた
「バカにしてるのか?僕は並の男より3倍は強い。並大抵のことでは僕にかすり傷一つすらつかない。知ってるだろう?」
バカにされた様な言い方をされ少しムッとしたせいか口調が少し荒くなる
「バカになんてしてませんし、強いのも知ってます。けれど、女の子だって事には変わりはないんですよ?いざとなったらやっぱり危ないですから」
と軽くあしらわれた
また言い返そうと手に向けてた視線を相手にあわすと‥間近で瞳が合った。
真剣な眼差し、いつも見たいな、弱いだけの光じゃない。
強い、強い光を宿した瞳。胸がドクンッと脈をうったのがわかった
「‥わかりましたか…?」
「‥わかった…」
どうも僕はあの瞳に弱いらしい。何も言えなくなる
いつもの優しい光を宿した瞳にもどった
ホゥッと安堵溜め息をしたのもつかの間
また瞳に違う光が宿った
見たこともない妖しい光
「‥もし約束やぶったりしたらどうなるか…」
そこで途切れさせわざと耳元で続きを言った
「‥わかってるよね‥?」
そう言った後新八君はスタスタとどこかへ言ってしまった
「……っ…はぁ」
新八君がいなくなった後一気に鼓動がはやくなり、顔の熱が上昇した
「‥これは何だろう…」
ただ何となく…危険な予感…
彼女がその答えを知るのはもう少し先のお話し…
→あとがき