■死別
□過去進行型プロローグ
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普遍的な日常の中
理想と現実の狭間に迷う僕
無力であることを感じた
最後の目先のことを考えた
家族への想いを
もうこの世に存在しない明日に
明るく暗い
最後のメッセージを贈る
暗く静まり返る階段を上り
街の夜景を最後に
終焉を迎えた
■解説
従兄弟が自ら命を落とすに至った経緯は、遺書が残っていなかったたため、私が自殺願望があった頃の心情を書いた。
従兄弟は、夜に家を抜け出し、母校の中学校へ侵入して、屋上から飛び降りた。
しかし、従兄弟が亡くなった翌日、従兄弟から家族宛に花束が花屋さんから送られた。
花屋さんからの話によると、花屋のシャッターに、お金とメッセージの入った封筒を発見し、そのメッセージには、「このお金で買える花を(従兄弟の住んでいる実家の住所)に送ってください」というメッセージがあったという。
後からわかったことだが、その花が贈られた日は、叔父叔母の結婚記念日であったことを知らされ、従兄弟が親への最後の祝福であったことがわかった。