■死別
□真実進行型
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非現実的な日常も
現実として形を形成していく
左右相称に彩られた
華やかな哀しき空間
綺麗な箱に眠るは
生前の面影を残す体
そっと冷たく何も語らなくて
涙が流れたまま
非現実は真実であることを
悲しみと共に認識した
■解説
式に参加し、叔父からその過程を聞き、遺体を見て、それが事実であったことを実感した時のことです。
自ら話していた叔父は、話の最中に、涙に言葉を詰まらせながら話してくれた。
祭壇に行くと、左右相称に華に綺麗に飾られていて、その前方に棺が置いてあり、叔母が遺影を眺めながら、涙していた。
遺体に触れると、冷たく、頭部にうっ血した跡が残っており、飛び降りで亡くなったことを物語っていた。
私自身、現実を見て、何故自ら命を落としたのか。私は何もできなかったことに、悲しみの念と後悔の念で、どうしようもなかったことを覚えている。