*太陽の扉*

□Black bird
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人間誰でも助言を求めてる。
助言を聞きたくて、それでもってアドバイスもしたいわけだ。

君も助言が欲しいの?

いや、俺は、人生にほとほと飽きたからな。
人間誰でも生きることは初めてだ。
初挑戦であり、アマチュアだ。
神だとかプロだとか言ってようが、そんなの死んじまえば何の役にもたたねぇだろ。
神つうのはなぁ、蚊に似てんだよ。
いっつも気づかないうちに側にいて、みんなにキスするんだ。
嫌われて、潰されてもしょうがねぇって諦めるんだ。

神だから?

フッ。そうだな。
神だからだ。









アイツが前に聞いてきたんだ。
俺の人生、ちゃんとした道、辿ってこれたのかってな?
お前の人生なんか興味ねぇって追い返そうと思ったんだけどよ、アイツが妙に真剣な顔をしててな。

全てに標識でもあればさ、彼は、蝶の真似をして空を飛ばなくてもすんだのかな。

標識があってもきっと、アイツの前には現れたさ。
『今が飛ぶ時です』ってな。

彼は言っていたんだ。
生まれ変わったら――

生まれ変わったら、歌を歌うって。
鳥の歌声は、全てを知っているからって。

アイツは飛ぶのが好きなんだな。

うん。
そうだね。




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