*太陽の扉*

□alone もう一人の自分
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むかし、むかし、その大国は治安と秩序の保たれた平和な国でした。
国王は、古くから伝わる魔法の鏡で、罪を犯した者を鏡の世界にいる人へと代えて、悪さがないようにしていたからです。
しかし、ある時突然異変は起きました。
鏡の世界から出された住人が凶暴化したのです。
国を荒らし、人を殺し、その国は世界中で一番残酷な国へと姿を変えて行きました。
凶暴化した者を止めるには、たった一つの手段しかありませんでした。
それは、鏡を壊すこと・・・。
その手段は、鏡を頼りに生きてきた国の国王には重大なことでした。
でも、国王は国民を守る為に、鏡を壊し、城の地下にある一番深い場所に封じたのでした。

大国にはまた、平和が戻り、豊かな国に戻ったのでした。
しかし、その事件に恐怖を覚えた城に大家の者は、外との関わりを一切なくしてしまったのです。

そして、誰もが『その』存在を忘れ、100年くらいが経った頃、何代も過ぎた外の世界を知らない、新しい国王とお后の間に1人の美しい少女が生まれました。
少女は『イナンナ』と名づけられ、すくすくと育っていきました。
外の世界を知らず、城に閉じ込められたまま・・・。






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