小説部屋

□瑠璃架と架瑠希の推理学〜図書館の殺人〜
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東京都某所。

時は夏休み。
私、園風瑠璃架は今、図書館にいます。
区内に住んでいる私が来るには、似合わない区外に位置する図書館。
名前は、"空風図書館"。
名前の通り、爽やかな外郭で、中も過ごしやすい。
さて、本題のどうして私がこの空風図書館に来ているか。
区内の名門大学に通う私と友達の雨苗架瑠希には、とても親しい教授がいて、本好きで親しい二人に是非やってもらいたいバイトがあると頼まれ、断れずに来る羽目になった。
しかも、夏休みずっと。
確かに給与は出るし、広い図書館で空き部屋もあって泊まれるのは良いけど…流石にずっとは…
しかも、一緒に来ている架瑠希は男性。
その気が無くとも、気にするのがお年頃。
教授も何を考えているのだか…
ふぅ、と溜め息を吐くと、左肩をちょんちょん、と突つかれた。
誰かなって振り向くと、架瑠希だった。
「何?架瑠希」
「溜め息吐いたから…大丈夫か?疲れた?」
架瑠希は気遣ってくれる。
それは架瑠希の優しさ。
「うん、平気。心配してくれて有り難う。」
思わず微笑みが出る。
学校とか、友達の前ではあんまり微笑んだりしない。
微笑むのは架瑠希の前くらい。
「…瑠璃架って、よく笑うよな」
…笑うって言い方はどうかと思うけど。
「んー…まぁ、ねぇ。
それより、…あんまり人、来ないね」
「確かに人来ないな…」
まぁ、今日初めて来たから、普段はどうかわからないけど。
「きっと、普段は来てるんじゃないか?」
やっぱりそうなのかな?
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