アンケコメ&リク小説
□金と銀
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今の俺には、もの凄い悩みがある…
それは…
『金と銀』
「また、テメェは邪魔しに来たのか!?」
「ふざけんなッ、今日は俺と約束してたんだ!!」
「何、言ってんだ!?俺と約束してんだって言ってんだろぉがぁ!!」
待ち合わせをしていた、徳川の石像前で、金髪頭と銀髪頭がいがみ合っている。真ん中に立たされたままで、二人を見つめる黒髪の男は、額に青筋を立て加え煙草を噛み締め、苛立ちを抑えていた。
「ぶわぁっか!!お前みたいな万年金欠ヤローを土方が好きだとでも思ってんのか?」
「んな、あっちの女、こっちの女を弄んでる奴なんか、土方が嫌いなタイプって分かんねぇのかぁぁぁ!!」
蔑み合い、けなし合う二人は、同時に土方の方を見る。
苛立ちで震えていた土方だが、二人の凄い形相に気後れしてしまった。
「「土方の本命ってどっち!?」」
「…えっ、あっと…」
タジタジと挙動不振で土方は二人の顔を見る。どっちと聞かれても、髪の毛の色が違うだけで他は全く違わない。なのにどっちと聞かれても答えようがない。
「…まぁまぁ、折角揃ったんだから、とりあえず3人で出掛けようぜ?」
「「はぁ〜!?折角二人で出掛けられると思ったのに、何だよそれ!!?」」
息ピッタリで刃向かう二人に、流石双子と頷きながらも、土方は二人を宥めようとしていた。が、全く納得しようとしない金時と銀時。
改めて睨み合うと、何かが浮かんだのか同時にニヤリと笑った。
「なら、どっちが土方を満足させられるか、勝負しようじゃねぇかぁぁぁ!」
「俺もそれを考えてた所だ。その勝負乗ったぁぁぁぁぁ!!」
「えっ、あっ、ちょっと待てぇぇぇぇ!?」
話が纏まり、両サイドから土方の腕を掴む。二人に掴まれ暴れる土方を、有無を言わさず引きずると、白昼堂々とラブホへと連れて行かされる。
周りの痛い視線をビリビリ感じながら、土方は成す術が無く暴れるだけ。