アンケコメ&リク小説
□犯人は…(上編)
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暫く走り、近道しようと裏道に入った途端、誰かにぶつかり土方の体が投げ出される。
「っつう…何処見て…!!」
「それはこっちの台詞だ。」
思いも寄らない人物に、土方の瞳孔が更にカッ開く。
隻眼の眼、口に加える煙管からはどくどくの匂いを漂わせる。
「た、高杉!?」
「ん?なんだぁ、貴様泣いてんのかよ?」
頬を伝う涙を見られ、カッと顔が熱くなる。慌てて手で拭うと、直ぐさま立上がり高杉を睨み付けた。
「そんな怖い顔すんなや。何かあったのか?」
初めて言葉を交わす高杉に警戒心をむき出しにするが、心配そうに声をかける高杉に一瞬心が緩む。
「……。」
俯き、黙ってしまった土方に、フッと鼻を鳴らすと側に近付く高杉。
「……るか?」
「は?」
「嫌な視線とか…感じた事あるか?」
誰でも良いから、縋りたい気持ちになり、土方は凄い小さな声で高杉に尋ねた。
「んなのは、しょっちゅうだ。それがどうかしたかよ?」
「テメェならどうする?どうすんだよ!?」
打開策を探る様に高杉に視線を向ける土方。
高杉の胸倉を掴み、怒鳴り声を張り上げた。