にわか雨

□1.校門
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夢ノ咲学院、アイドル科。

放課後、校門前に水季はいた。

「そろそろか」

「あの〜」

控えめな声が中から聞こえた。

「!」

声の方を見ると水季はギョッとした。

そこにはリスの着ぐるみがいた。

「な…な…」
(なんだコイツ)

リスはポテポテと歩いて水季に近付く。

「水季さん?」

リスが首を傾げながら聞いた。
スポッと頭をとる。

「智!」

リスは智だった。

智は水季をじっと見る。

水季は普通科の制服を着ていた。
髪は結わえずサラリと流していた。
着物の時とはまた違う雰囲気と美しさをまとっていた。

「普通科の生徒だったのですね」
「そうだ。ところで何故そんな格好を?」

そう聞くと智はハッとしてまたリスの頭を被るとドンと構える。

「不審者を驚かす為です!」
「お主の方が不審者に見えるぞ」

リスの頭を撫でる。

「許可はとっておる。もうすぐあんずが…」

「お待たせ、水季ちゃん」

あんずが出てきた。
そしてリスを見てギョッとした。

「智ちゃん?」
「はい!」

智は手を上げて返事をする。
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