にわか雨

□6.環境
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中学校に入学すると環境は大きく変わる。

小学校の頃より人数もクラスも増えた。
同じ小学校出身で既にグループができていたり、共通の趣味で新しくできたりした。

翠と水季は校内で会うことはなかった。
学年は勿論だが、教室も離れていた。


「ねぇ、高峯くん」

ある日、女子に呼び止められた。知らない女子だった。

「何?」
「今、付き合ってる人、いる?」
「いないよ」
「じゃあ、好きな人は?」

女子は真剣な顔で聞いてくる。
その眼が、少し恐かった。

「……いない」
「本当!?っよし!ありがとう!」

そう言って女子は走り去った。

「?」

クスクスと後ろから笑い声が聞こえた。
振り向くと水季がいた。

「水季」
「こら。『先輩』をつけろ」
「今更?」
「……ま、それもそうか」

水季は翠に歩みよる。

「なかなか可愛らしい子だったな」
「そう?」
「付き合うのか?」

水季の問いに翠はキョトンとする。

「何でそうなるの?」

今度は水季がキョトンとした。
翠は気にせず、次の言葉をだした。

「水季、髪、伸びたね」

短くなっていた水季の髪は伸び、陽にあたるとキラキラと輝いていた。

数日後、翠は1人の女子から告白された。
翠に『好きな人がいるか?』と聞いた女子の友達だった。
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