にわか雨
□2.出会い
4ページ/5ページ
水季とあんずは楽しくおしゃべりをしながら食べすすめた。
テーブルに並べられたお菓子はあっという間に半分になった。
殆どは水季がひとりで食べた。
「彼女じゃないんですか?」
「ふふ。翠は弟みたいな者だ。母同士が仲良しでのう」
水季はパフェをつつく。
あんずは水季より小さめのパフェを食べる。
「昔は私より背が低くて、可愛かった。いや、図体がでかくなった今も可愛いがな」
ふうっと水季はため息をついた。
「なのに、中学からか、急によそよそしくなって。それでも、高校は夢ノ咲学院を受験するというから、待ってたのだ」
「そうなんですか」
(水季さん、3年生なんだ)
あんずは水季の大人っぽさに納得した。
否、しかけた。
水季はあんずの方を見る。
「あんず。同い年なのだから敬語は不要だぞ」
「え?」
あんずは目をパチクリさせた。
「言わなかったか?私はあんずと同じ2年だ」
「……え!?」
あんずが驚くと同時に店の扉が勢いよく開いた。