零落の季節

□3.YUTA
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「……噂通りだったでござる」
「噂通り?」

智の噂。
冷たい雰囲気。
ひなたと鉄虎を一睨みで泣かした。
智が通った後は物が散乱。

でも、実際は噂とはかけ離れていた。

「どういうこと?」

その場の全員が混乱していた。
先に動いたのはゆうただった。

「忍くん」

ゆうたは忍と目線を合わせる。

「話して。智を見た時のこと」

忍は頷いた。
ポツリポツリと話した。
忍の話が終わると、ひなたは腕を組んだ。

「全然違うね。少なくとも、雰囲気は転校初日に似てるけど…」
「……朝からそんなだったの?」

ゆうたの顔は真っ青で涙目だった。
ひなたがギョッとした。

「なんでゆうたくん泣きそうなの!?」
「だって怖いじゃん!!」
「オバケの話じゃないんだよ?」
「わかってるけど……」

忍の話は智のことで、決して怖い話ではなかった。
しかし、聞いたゆうたはすっかり怯えてしまった。

「怖い感じは無かったでござるよ」
「え?」

忍が2人の話に入ってきた。
先程より落ち着いていた。

「確かに噂は恐いイメージでござるが、それとは違ったでござる」

忍の話は怖くはなかった。
不思議な話だった。


To be continued.


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