にわか雨

□2.出会い
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あんずが水季と初めて会ったのは6月、梅雨入り前だった。
テレビではまだ宣言はされてなかったが、降ったりやんだりと予報外れの天気が続き始めていた。

「また降ってきた」

ぱらつく雨をあんずは教室の窓から見ていた。

「あれ?」

ふと向けた校門に女性を見つけた。
傘を持っている気配はない。

「あの人、濡れちゃう」

あんずは自分の折り畳み傘を持って教室を出た。

校門の内側から女性をのぞき見して気づいた。

(普通科の人だ)

普通科の生徒、水季はあんずに気づかない。
俯いて、校門に寄りかかっていた。

(綺麗な人だなぁ)

雨に濡れた銀髪、同色の長い睫毛。
白い肌。
スラリと背が高く、制服の上からでも凹凸がはっきりわかる身体。
同性のあんずも思わず見とれてしまった。

水季は瞬きをすると、漸くあんずに気づいた。

「何か用か?」
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