献上小説置き場
□予想外すぎる出来事
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怖いが、このままでは話が噛み合わなさそうなのでツナは論点を変える事にした。
「あの…俺達、さっきまで戦ってたんですよね…?」
「そうだな」
「ザンザス…さん、は…10代目になりたいんですよね…?」
「さん付けはいい。…そうだな、正確には“なりたかった”だがな」
「え?」
ザンザスは腕を伸ばし、ソファーの隅で丸くなっているツナの頭を優しく撫でた。
「おまえを見て、そんな気は失せた」
「10代目になる気はもうない…って事……?」
「あぁ」
だが、だとするとまた疑問点が浮上してくる。
何故に自分達は、命がけで戦ったのか…。
ツナは固まりながらも素直に頭を撫でられながら、恐る恐るザンザスを見上げる。
見えたその顔は、驚くほど穏やかだった。
「ど、どうして大空戦まで戦って…?」
「あぁ、そうしなきゃおまえと2人きりになれそうになかったからな。あの家庭教師は厄介だ」
リボーンの事だろう。
っていうか…ランボも他のみんなも大怪我をしたのに……。
でもそうすると、もう10代目候補は自分しかいないんじゃ…?
それはそれで嫌だ。
それに、今のザンザスならば10代目になってもいい気がする。
だが超直感なのか、ザンザスがツナの頭をポンポン叩いて言った。
「ボンゴレ10代目はテメェだ。俺はもうなる気はねぇ」
「そんな……で、でも、何でいきなり…?」
どうやら彼は自分に好意を持っている…らしい。
だが、それは別に10代目とはあまり関係ない気がする。
そんな考えをまたも読みとったのか、ザンザスは今度はツナを抱き寄せて言った。
ちなみに、ツナに抵抗する事は不可能だ。
「本当は、あの長い眠りから覚めた時にはもうわかっていた。自分が何故ボンゴレ10代目に相応しくないのか…。きっと俺にボンゴレの血があったとしても、老いぼれは俺を10代目には選ばなかっただろう」
「……………」
「そしておまえを一目見てわかった。……コイツがボンゴレ10代目に相応しい、と」
「でもあれから戦いに……ハッ」
そこでツナは気づく。
大空戦に持ち込み、2人きりになる為に戦いを行なったのだ。
「老いぼれにはある程度はムカついてたからな」
ザンザスは平然とそう言った。
それだけで育ての親をモスカの中に…。
「ってな訳で、そろそろ本番いくか」
「本番?」
「既成事実」
「きっ……」
ツナはいつの間にかソファーに押し倒されていた。
そしてシャツのボタンも外れている。
「ままままさか…っ」
「ヤる」
「ちょ、ちょっと待ってっ!何でそんな事に……」
「まぁまぁ」
「何がっ!」
そんなやり取りの間もツナは脱がされ続けている。
そして優しくキスをされ……堕ちた。