献上小説置き場

□突然の訪問者
1ページ/4ページ

 
 
「ヴァリアーの本拠地を見て来い」
 
これが、恐怖の家庭教師が出した課題だった。
 
 
 
 
 
 
「ヴァ…ヴァリアーのアジトへ行けって事…?」
 
「そうだぞ」
 
リボーンは優雅にコーヒーを飲みながら頷く。
 
「え、だってイタリアでしょ?」
 
「おまえら、明日から夏休みだろうが」
 
「いや、そうだけども……ん?おまえ…ら?」
 
って、複数を意味していないか。
 
「そうだぞ、獄寺に山本、笹川了平にも同じ課題を出してある。さっさと旅支度をしろ」
 
「なっ…何でぇぇ〜〜〜??!!」
 
ツナの不安だらけの夏休みが始まった。
 
 
 
 
 
あっという間に着いたイタリア。
 
「それにしても、やっぱり綺麗な所なんだね〜」
 
建物から何から、日本とはまるで違う。
ツナは思わず立ち止まってその美しい景色に魅入ってしまった。
 
「でも、獄寺がいてくれて助かったよなー」
 
俺らイタリア語出来ねーし、と能天気に笑う山本。
 
「あったりめーだ、10代目に何かあったらどうすんだ!!」
 
獄寺は何度もイタリアと日本を行き来している為、空港でも何処でも慣れていた。
 
「うおーっ!!初の海外だ!!ボクシングを広めるぞー!!」
 
何だか目的をわかっていなさそう…というか別のものに変更している了平。
今日も極限に暑苦しい。
 
 
実はヴァリアーのメンバーは、この事をまだ知らない。
リボーン曰く、「その方が面白れーだろ」らしい。
迎えもなく辿り着く、という事も重要らしかった。
 
 
それから少し観光をしてから目的地に向かう一行。
ほとんどは獄寺が頼りだが、とりあえず着けばいいのだ。
 
 
 
 
そして、とうとうヴァリアー本拠地に到着した。
 
 
予想外にも普通のインターホンがあり、それを押す。
すると「誰だぁ?」と明らかに銀髪の彼だとわかる声が聞こえてきた。
それに、山本が嬉しそうに「スクアーロ!!」と応える。
インターホンの向こうでむせる様子があり、すぐに門が開いた。
 
扉を開けると、スクアーロが立っていた。
そして恋人の姿を認めると、改めて驚くが嬉しそうに抱きしめる。
 
「武ぃ…かなりビックリしたぞぉ?」
 
「アハハ、やっぱり。スクアーロ久しぶりなのなー」
 
一通り再会が済み、ツナは辺りを見回した。
 
「これがヴァリアーの本拠地なんだ…広いなぁ〜」
 
「ボンゴレ一の暗殺部隊だからなぁ」
 
「……ザンザスは?」
 
1番気になっていた事を聞く。
 
「生憎と仕事だぁ。ベルとオカマもだぞぉ」
 
残り2人の姿を見てそう答える。
獄寺は「別に俺はあんな奴に会いたくねーけどな」とそっぽを向いていたが。
 
だが3人共明日には帰ってくるとの事だったので、今夜はここに泊まる事にした。
そもそもそのつもりだったのだ、荷物も何日か泊まる分はある。
 
 
ある程度建物内を探検すると、3人はそれぞれ客間用の部屋で一晩を過ごした。
 
もちろん、山本はスクアーロの部屋で甘い甘い一夜を過ごしたのだった。
 
 
 
 
 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ