献上小説置き場

□楽しい楽しい文化祭
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場面と時は変わり、数日後。
 
 
「まぁ王子様、何の用ですの?」
 
継母はさすが、完璧だ。
 
「このガラスの靴に会う娘を捜してる。ここにいる女全て連れて来い」
 
お付のスクアーロが用件を述べた。
 
そこで継母と義姉2人がガラスの靴を試すが、皆ピッタリ入らない。
 
「あと1人いるだろうが。出せ」
 
王子がまたもや台詞をアドリブでかまし、まぁストーリー上に問題はないのでシンデレラが出てくる。
そして見事にガラスの靴を履いてみせた。
極めつけにもう1つのガラスの靴を出してみせる。
 
「やはりあの時の姫……俺と結婚しろ」
 
「はい…」
 
そして2人は熱く抱き合う。
それまでは良かったのだが、なんと王子がシンデレラにキスをしたのだ。
演技ではなく、本当に。
 
ツナは驚いて目をパチクリさせる。
周囲も同じだった。
 
だがなんとかエンディングまで持っていき、舞台は無事終了したのだった。
 
 
 
 
 
控え室へ行くと、皆がツナ達を待っていた。
拍手で迎える。
 
「良かったよ沢田ー」
 
「他の奴らも良かったぜー」
 
「もうっ、ツナ君可愛すぎ!」
 
「私写真撮りたいな〜」
 
「あ、私も〜」
 
 
そんな中、スクアーロは髪をほどきながらため息をつく。
 
「う"お"ぉいザンザス!テメェ、アドリブばっかりかましやが………ぶっ!!」
 
綺麗な顔が、見事に壁にのめり込んだ。
 
ザンザスは不機嫌な顔のまま、皆に囲まれているツナを引っ張り出し抱き上げる。
お姫様抱っこだ。
これまた衣装のままだからかなり絵になる。
 
「コイツは俺のだ」
 
一言そう言うと、そのまま控え室を出て行ってしまった。
 
クラスメイトは、呆気に取られるしかない。
その中で唯一、京子が「ザンザス君って本当にお兄さんの事大好きだよねー」と天然を披露するのだった。
 
 
 
 
 
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