献上小説置き場

□水温上昇注意!!
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「…ん?」
 
ふと、ツナはガラスの向こうに何か見てはいけないものを見てしまった気がした。
ザンザスがどうしたと尋ねてくる。
 
「いや…なんだか向こうにいるはずのないある意味1番いそうなものが……」
 
わけがわからない。
ザンザスもそちらを見てみると、なるほど、確かにそうだった。
 
ガラスの向こう、そこはちょうどヒトデに触る事が出来るというコーナーだった。
 
 
「ほらランボ、ヒトデですよ」
 
「くぴゃ、なんかヌルヌルしてる〜」
 
「あぁ…こんなものに怖がる仔牛もたまらない……、クフフ、微笑ましいですねぇ」
 
明らかに彼の脳内は微笑ましくないだろう。
そんな生温いものではない。
 
とりあえず、関わらないのが吉とばかりに、ツナとザンザスは彼らに背を向けて歩き始めるのだった。
 
 
 
 
 
そんなこんなで数時間たった頃。
 
「ツナー、俺らこの後イルカのショー見てくるけど」
 
山本がそう言いながらスクアーロと手を繋いでやってきた。
もはやツッコミがありすぎて何も言う事はない。
 
「そっか。っていうかもうほとんど別行動のようなものだし…」
 
 
そこへ今度はベルの声が。
横には無理矢理引っ張り連れて来られた獄寺の姿が。
 
「ボスー、俺らこれから深海魚の如くディープな世界に入りたいんだけどー」
 
「馬っ鹿野郎!!」
 
もはやそう言って怒る彼さえも一種の照れにしか見えない。
ツナは冷静に「ベルは大胆だなぁ…。獄寺君、頑張って」などと思っていた。
 
 
 
そしてあっという間に2人きりになってしまった。
 
「水族館も一通り見ちゃったし…ザンザス、どっか行きたいトコある?」
 
最後にしっかりと「ディープな世界以外で」と付け加える。
堂々と舌打ちをされた。
 
「……昼飯」
 
「そういえばお昼まだだったね〜」
 
確か外にレストランがあったはずだ。
 
「行こっか。でも肩の手は下ろして?」
 
「断る」
 
「ザンザス」
 
「………」
 
超死ぬ気モードの時のような目をして名前を呼ぶ。
何故か、最近ツナのこんな顔に弱いザンザス。
思わず手を下ろしてしまった。
 
だが、下ろした手はツナの手によって握られた。
 
「綱吉…」
 
「これなら、もっとお互いにぬくもりが感じられるでしょ?」
 
えへへ、と照れ臭そうにはにかむツナを見て、今夜の主食は決まったと改めて再確認するザンザスだった。
 
 
 
 
 
 
 
→後書き
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