献上小説置き場

□水温上昇注意!!
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という訳で……いや、どういう訳かはいまいち不明だが、一同は水族館に来ていた。
 
 
ツナが水族館の割引チケットを母親からもらい、恋人に相談する前に友達を誘ったのがこの状況である。
恋人もといザンザスは今でも少し不機嫌だ。
もちろん、2人きりで来たかったからだ。
 
友達とは、獄寺に山本。
そうなると当然それぞれに1人ずつ付いてくる。
 
 
 
「スクアーロっ、サメがいるのな!!」
 
「あ"ぁ。結構デカイなぁ」
 
「カッコイイけど、スクアーロの方がずっとカッコイイのなー」
 
「っ………」
 
水の中でもないのに呼吸が苦しくなるサメの名を持つスクアーロ。
天然な恋人、山本の発言でいつも通りたじたじになるのだった。
 
 
 
「おいベル」
 
「ん?」
 
少し離れた場所にはベルと獄寺の姿が。
割と暗い場所で魚を見ていた。
 
「テメェ、今俺のケツ触ったろ」
 
「気のせいじゃん?」
 
「んなわけあるか。確かにテメェの指だった」
 
「隼人、感触だけで王子の指ってわかるなんて……やっぱり日頃散々王子の指で感じてる成果?」
 
「ふざけんな、いくら暗くてもこんな公衆の面前ではやめろ。もちろん誰もいなくても禁止だけどな」
 
「だって……」
 
ベルは目の前で泳いでいる魚を見ながら言った。
 
「コイツらの口、開いたり閉じたりヒクヒクしてて、隼人のアソコみたいなん……」
 
なんだもん、と続けようとした彼の言葉は最後まで発せられなかった。
周囲に気づかれない程度のチビボムをベルの腹にくらわせた獄寺。
なんというか、いろいろと許せなかった。
 
 
 
そんな光景を遠目から見守るツナ。
 
「あー…やっぱりみんな分かれちゃったね〜…」
 
「当然こうなるだろ」
 
「だよね…」
 
そう呟くツナの肩は、先程から大きなザンザスの手にガッシリと掴まれていた。
周囲の目がかなり痛かったが、もしかしたらあの2組よりはマシなのかもしれない。
 
「そういえば、京子ちゃんのお兄さんも誘ったんだけど…」
 
「まだいたのか」
 
「でも来れないって」
 
「どうせ暑苦しい修行とかだろ」
 
「ううん、ルッスーリアと旅行だって」
 
……そういえば3日程前に彼から有給届けが出されていた気がする。
そういう事だったのか…と納得すると共に、自分は他の奴らにデートを邪魔されているのに彼らは2人きりで楽しんでいるのかと思うと腹が立つザンザスだった。
 
 
 
 
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