献上小説置き場
□お友達も執事持ち
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「うわ〜…やっぱり大きいなぁ、山本財閥は」
「沢田財閥も負けてはいませんよ」
外では完璧な猫被りモードなザンザス。
この豹変振りにはいつも関心してしまう。
それからベルを押すと使用人が出て、すぐに山本が出てきた。
「よ、ツナ。待ってたぜ」
「山本、ごめん…彼、俺の執事のザンザスまでついて来ちゃった…」
ザンザスは丁寧に頭を下げた。
「お初にお目にかかります。貴方が山本財閥のご子息でいらっしゃいますね。私は沢田綱吉様の執事を勤めさせていただいています、ザンザスと申します」
「あー、はじめまして。山本武っス。やっぱり、ツナの言ってた通り丁寧で強そうな人なー」
「ちょっ、山本っ」
後でネタにされていじめられまくるからやめてー!!という心の声が天然の彼に届くはずもなく。
口の端を上げてニヤリと笑う執事を、綱吉は確かに見てしまったのだった。
「で、何する?親父の寿司でも食ってくか?」
「う〜ん…山本の執事に会ってみたいな。いい?」
「もちろんっ」
そう言うと、山本は執事を呼ぶため少し席を外した。
「……どういうつもりだ?」
猫被りモードを解除して素で話すザンザス。
主人の意図がいまいちわからない。
「山本の執事に会ってみたかっただけだよ」
「………テメェ、俺という最高の恋人がいながらまだ足りねぇってのか」
「恋人じゃないし!!…違くて、ただ山本が心配なだけだよ」
「心配?」
「山本の執事も、どうやら丁寧で優しくて完璧らしいんだ。だからきっと猫被ってるに決まってる!!騙されてるんだよ!!だって俺がそうだったもん」
「だよなぁ。おまえの俺に対する印象は“丁寧で強い”だもんな。それに“優しくて完璧”か。最高の褒め言葉だな」
「っっ〜〜〜この、変態ドS執事〜〜っ!!!!」
墓穴を掘ってしまった自分を軽く殴りたい綱吉だった。
…痛いのは嫌なのでそんな事はしないが。