献上小説置き場
□たった1人の弟
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「……大丈夫かな?」
その弟の言葉にザンザスは今度はツナの腕を掴む。
「馬鹿かっ!!人の心配してる場合じゃねーだろ!!」
「で、でも何もなかったし…」
「もう少しで危なかっただろうが!!」
珍しく怒鳴る兄に、ツナは困っていた。
「…ごめんなさい……」
「…今度からはすぐに俺を呼べ。いいな」
「っうん。ありがとう、お兄ちゃん」
そして、いつもの1日が始まる。
ザンザスは心配で仕方がなかった。
あと1年で自分は卒業してしまう。
だが弟はそれからあと2年も通うのだ。
中学に比べてずっと可愛く綺麗になった弟。
高校になると周囲が放っておかなかった。
それを排除するのが自分の役目だ。
ザンザスは横で無邪気に笑う弟を見る。
…いつか、俺がもらってやる
誰にも渡しはしない
たった1人の、俺の弟………
→後書き