献上小説置き場

□障害があっても
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補習。
嫌な響きだ。
 
 
ここ、並盛中に転校してきたばかりのツナは苦い顔をした。
今日は苦手な数学のテスト返却日。
相変わらずチンプンカンプンだったテストは、きっと赤点。
そうなるともちろん補習だろう。
 
 
担当教師であるスクアーロがテストを返していく。
だが、点数を言わないだけまだマシな方だ。
ツナが前にいた中学では、嫌な先生はわざわざ点数を読み上げながら返却していくのだ。
それに比べればまだ気が軽い。
 
 
「あ"ー……沢田綱吉ぃ」
 
「は、はいっ」
 
どうせ赤点だろうと思っていたツナは、席について答案用紙を見て目を見開いた。
なんと、ギリギリ合格だ。
32点。
赤点は30点以下。
平均点には遠く及ばないが、赤点を免れただけでも拍手ものだ。
 
 
 
 
休み時間。
 
「ツナー、さっきのテストどうだった?」
 
同じく数学苦手な山本が話しかけてきた。
 
「山本…なんかギリギリセーフだったんだよ!!自分でもビックリした!!」
 
「そっかぁ。俺はギリギリアウトだったのなー」
 
「山本……」
 
 
そこへ厄介な者が。
 
「へっ、それがテメェの実力だ」
 
何故かツナに付き従う獄寺隼人だった。
 
「獄寺君…」
 
「10代目、さすが10代目っス!!やはりこんな野球バカとは違いますね!!」
 
「でも獄寺君は最高点でしょ?」
 
そう、見た目はヤンキーなのに、実は彼はものすごく頭がいい。
獄寺は言いにくそうに「…98点でしたが……」と答えた。
さすがである。
 
 
 
 
 
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