献上小説置き場

□幸せな寝坊
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「じゃあ獄寺君、また明日」
 
「はい。今日もお疲れ様です、10代目!!」
 
深くお辞儀をして、獄寺は家路についた。
 
 
 
帰りに近所のスーパーに寄る。
前まではコンビニで弁当を買って帰っていたのだが、今は違う。
料理を作るため、スーパーで食材を買って帰るのだ。
 
それもこれも、リング戦後突然押しかけてきたあのワガママ王子のせいだ。
 
 
 
 
「おかえり隼人〜」
 
「……おう」
 
 
“おかえり”
 
まだこの言葉に慣れない
 
今まで使う事なんてなかったから
 
ずっと前に使ったかもしれないが、あまり覚えていない
 
 
「隼人、ただいまは?」
 
「…ただい、ま…」
 
この言葉にもまだ慣れない
 
 
それでも、おかえりと言って出迎えてくれる存在
 
ただいまと言える相手
 
 
これが妙に嬉しかったりする
 
 
 
 
「で、明日は午後からなんだよね?学校」
 
「あぁ」
 
夕飯を作りながらそう返事をする。
そう、明日は午前に緊急会議があるとかで授業は午後からなのだ。
噂によると、風紀委員長の雲雀がまた何かイベントをやらかすらしい。
それによる会議だそうだ。
 
「全く、午後だけなんてかったりぃ」
 
それでも彼が学校へ行くのは、尊敬する沢田綱吉が通っているから。
きちんと通学を傍で支えなければならないのだ。
 
 
 
そして夕飯を食べ終え、風呂に入りいつものように寝室へ向かう。
もちろん、2人は別々の部屋だ。
 
獄寺は布団に入ると、いつもより少し遅く目覚まし時計をセットする。
 
この生活にもすっかり慣れてしまった。
最初は家事は交代制でやれと言ったが、ベルがあまりにも家事が下手なため、今では全部自分でやっている。
 
 
 
 
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