献上小説置き場
□あっという間の下克上
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その後。
「おい綱吉、いつまで寝てる気だ、起きろ」
「ん〜〜もう少し………………って、うわぁ!!」
いつの間にか横暴執事が布団の中へ。
「ちょっとザンザスっ、何して…」
「目覚めないようなので、起こしてさしあげようと思いまして」
「こんな時だけ敬語使っていい子ぶるなぁ〜〜っ」
今では過剰すぎるスキンシップで大変困っている。
これまでのが全て猫かぶりだったのは言うまでもない。
そして、実際はものすごく俺様で我が侭で意外に子供っぽい事がわかった。
たぶん立場を逆転した方がしっくりくるのだろう。
一応、執事の仕事は今まで通りきちんとこなしている。
だからこそ、追い出す理由もないし他の人の前では相変わらず猫を被っている。
「騙された……何でこんな事に…」
「嬉しいだろ、ゴシュジンサマ?」
ニヤリと笑うその顔は、もはや初めて会った時の笑顔ではない。
けれど、こんな1番執事らしくない執事だけど、かっこいいのだ。
ただ、黙っていればの話だが。
「おい綱吉、今日こそ観念して抱かれろ」
「はいそうですかって素直に抱かれる奴がどこにいる!!」
毎日こんなやり取りの繰り返し。
どうやら自分は彼に気に入られたらしい。
男の俺に可愛いだの抱かせろだの言ってくる。
以前はただ抱きしめるって意味かと思ったが、どうやら違うらしい。
「このっ…変態執事〜〜っ!!!!」
毎日楽しいけれど、守ってくれるはずの存在から身を守らなければならないのでかなり大変だ。
何故か、彼の主人という実感が全くといっていい程涌かない綱吉だった。
→後書き