献上小説置き場

□勢いだって両想い
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ここは全寮制の男子校、並盛学園。
 
 
その中、転校してきた少年。
名を山本武という。
 
 
クラスでの自己紹介もつつがなく終えていた。
 
「あー…じゃあ席はスクアーロ、アイツの隣だな」
 
「アイツ?」
 
見ると、見事な銀の長い髪が目に入る。
そしてその鋭い眼光にも目を奪われた。
 
「よろしくなっ」
 
「……あ"ぁ"…」
 
 
それが、この2人の出会いだった。
 
 
 
 
 
偶然寮の部屋も同じになった2人。
実は、生徒達がスクアーロと同室は怖いから嫌だと言い、彼だけ2人部屋を1人で使っていたのだ。
 
目つきは悪く態度が素っ気ないため誤解されがちだが、彼は怖い奴でも悪い奴でもない。
それは山本が1番よく知っていた。
 
 
 
学園にも慣れてきて部活の野球も伸びてきたある日、山本は慌てて部屋へ飛び込んできた。
 
「どぉしたぁ?」
 
「ス…スクアーロ……」
 
彼の姿を見てやっと落ち着いた山本は、事の次第を話し出した。
 
今日は部活もなかったため教室で一人のんびり帰りの支度をしていると、隣のクラスの同じ野球部の奴が入ってきた。
そして何故か、突然押し倒されたのだ。
顔を近づけてきたので、怖くなって無我夢中で相手を突き飛ばしてここまで全力で走ってきた。
 
 
話を聞き終えたスクアーロは、怒りで普段から鋭い眼光をこれでもかというくらい光らせて激怒した。
 
「誰だソイツはぁ!!絶対ぇ許さねぇ!!二度と表に出られねぇようにしてやる!!!!」
 
「ちょっ、スクアーロ、待てって。未遂だったわけだし、な?」
 
あまりのキレっぷりに焦る山本。
そりゃあ怖かったし怒ってもいるけれど、隙を見せた自分も悪いし、何より彼がそこまで怒る理由がわからなかった。
 
 
「今回はたまたま未遂で終わったからいいけどなぁ!!もし取り返しのつかない事になったらどうするぅ??!!」
 
「えっと…でも俺男だし、あんま重要じゃねーかも…なんて……」
 
「……………」
 
すると何故かスクアーロの目が座り、さらに顔が近づいてきた。
先程と同じ状況のはずなのに、どうしてか逃げようとは思わなかった。
 
そのままキスをされる。
 
次第に深くなり、山本は人生初のキスに力が抜けていた。
 
 
 
 
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