記念品小説

□豆まき騒動バカップル集合!!
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そして少し離れた場所には、はしゃいで走り回っているランボと……パイナポーが見えた。
まずその頭の房が目に入る。
次に、独特の怪しい笑い声。
極めつけに、変態を超えた発言だった。
 
 
「さぁランボ、この僕に思いきり豆を投げつけなさい!!全て受け止めてみせますよ!!」
 
両手を広げ、頬を染めてそう叫ぶパイナポーもとい六道骸。
だがランボは豆をむしゃむしゃ食べ続ける。
 
「ランボさん投げるより食べる方がいいもんねっ」
 
だがそんな事ではくじけないのが変態だ。
自分の持っていた大量の豆を手に乗せると、ランボの目の前に差し出す。
 
「さぁランボ、たっくさんありますよ。どうぞ食べて下さい」
 
その山のような豆に目を輝かせるランボ。
骸の元に駆け寄ってその手を掴み引き寄せ、直接その豆の山にむしゃぶりつく。
 
端から見れば、仔牛に餌付けしているただの変態ロリコンパイナポーだ。
 
 
「あぁランボ……クフフフフ…」
 
もはや悦に入ったような表情。
変態というのは、つっこむ者がいればさらに燃えてそれが増すものだが、それすらいないとなると際限なくその本性をさらけ出すのだ。
今の彼がその状態である。
 
ここもまぁ、一方的なバカップルである。
 
 
 
 
 
 
そんな彼らとある意味正反対で、ある意味似ているカップル。
その2人は豆など気にせず、トンファーと鞭でものすごい攻防を繰り広げていた。
 
 
「さっさと本気出しなよ、馬鹿にしてるの?」
 
「ちょっ、待てって恭弥!!俺はただ豆まきをしにきただけで…」
 
「僕に勝ったら勝手にやりなよ」
 
こちらもまた一方的な想いのように見えるが、雲雀も行事ごとには敏感である。
本当は豆まきもしたいが、ディーノが来るとどうにも戦闘好きなこの血が騒いでしまうのだ。
 
 
 
 
 
 
唯一、何もない所に懸命に豆を投げるという本来の豆まきらしい事をしているのは了平。
やはり彼の傍にもある人影が。
 
 
「はりきってるわね了ちゃんっ」
 
「おぉ、ルスーリアか!!」
 
「ん〜…ちょっと違うけど、まぁ許してあげるわ。だいぶマシになった事だし」
 
未だにちゃんと名前を覚えていないらしいが、そこは広い心と愛で受け止める。
 
サングラスに前髪以外坊主という不思議極まりない髪型の男…一応、生物学上は、だが。
オカマ口調のヴァリアー、ルッスーリアである。
 
 
「ルスーリア、貴様も豆まきか?!」
 
「えぇ。でも勿体無いわね〜お豆」
 
「ふむ…確かに。拾って食べるか」
 
「ダメよ了ちゃんっ!!こっちにまだ残ってるから、これを一緒に食べましょ?」
 
「おぉ!!極限に食うぞ!!」
 
 
こちらもまた、否定しようのないバカップルだった。
 
 
 
 
 
 
 
「いつも通りだな」
 
それぞれがいろんな節分を楽しむ中、首謀者であるリボーンがそう呟く。
そして顔を動かさず、後ろに向けて言い放った。
 
「おい、いつまで幻術で隠れてやがるマーモン」
 
その言葉でグラッと空間が歪み、幻術が解ける。
 
 
「……バレてたんだ」
 
「俺をなめんなよ」
 
リボーンの真後ろに、ヴァリアー所属のアルコバレーノ、マーモンがいた。
 
 
「さて、豆まきをするか」
 
「僕はお金にならない事はしないよ」
 
守銭奴マーモン。金が第一だ。
 
「テメェ…豆をぶつけられるのと今ここで俺にヤられるの、どっちがいい」
 
「は?!何その2択!!」
 
「どちらか選ばせてやる」
 
「どっちもヤダよ!!てか僕が豆ぶつけられるの?!」
 
「ほぉ…俺に豆を投げつける度胸があるとはなぁ、バイパー?」
 
マーモンとはヴァリアーに入った時に代えた名で、バイパーが本当の彼の名である。
そのへの字の口をさらに尖らせるが、何も言えない。
リボーンに逆らったらどうなるか、もう十分すぎる程身に沁みている。
 
 
黙りこくったマーモンに豆を口に無理矢理入れ、ニヤリと笑うリボーン。
 
「美味いだろ」
 
「っ……」
 
フードを最大限深く被り、顔の火照りに気づかれないようにする。
だがきっと、そんな事をしても無駄だろう。彼相手では。
 
ここにもまた、1つのバカップルが誕生したのだった。
 
 
 
 
 
 
 
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