記念品小説

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いつも通りの学校生活。
いつも通りダメダメだった。
 
数学の小テストでは最低点、体育の野球では空振り三振で守備も役立たず、しまいには獄寺君が早退してしまった為、今がチャンスとばかりに放課後の掃除を押し付けられた。
まぁ、ぶちゃけいつも通りというよりいつもよりダメダメだったかもしれない。
 
こんな俺に、神様は何故さらに追い討ちをかけるような事をするのでしょうか・・・。
 
 
 
 
 
 
いや、うん、ありえない。
だって、かなりの憂鬱で帰路について、もう今日はゲームやって漫画読んでダラダラ〜っと過ごすぞって思ってたのに・・・・・・何コレ。
 
 
 
 
家に帰ったら真っ先に、深紅の瞳のドデカイ真っ黒なイタリア人が出迎えてくれました。
 
その時、どんなに気を失いたかった事か・・・。
だがこんな時に限って、俺の精神力は意外としぶとかった。
 
 
さてどうしよう。
1、「ごめんなさい家を間違えました」
・・・駄目だ、ここじゃなければ俺は何処へ帰ればいいというのか。
2、「あれ?お久しぶりです。お元気でしたか?」
・・・なんか慣れ慣れしすぎじゃないか・・・?
3、「なに人の家に入ってるんですか?さっさと出てって下さい」
・・・確実に殺される!!
 
 
そうこう迷っていると、奥の方から母さんが顔を出した。
 
「ザンザス君〜、ちょっと手伝ってほしい事があるんだけどいいかしらぁ〜?」
 
 
はいぃ??!!
 
 
 
目の前のデカブツもといザンザスは、無言で家の中に戻っていく。
 
 
 
・・・あれ?どうしたのかな?俺、何か突っ込まなくちゃいけないんじゃないかな?けど何でだろう、ものすごい事がいきなりすぎてそんな気も起きないよ・・・。
 
とりあえず恐ろしい人物の入っていった家へ、自分も入る。
こんなに怯えて家に入ったのは、数年前に家にゴ●ブリが大量発生して以来だ。
 
 
 
 
 
 
 
リビングに行くと、あのザンザスが、あのザンザスが、あのザンザスが、無骨な手つきで母さんと一緒にハンバーグを作っていた。
 
 
 
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 
 
俺は肩から鞄がずり落ちたのにも気づかず、ただただ言葉を失っていた。
 
 
 
「あらツッ君、どうしたのよそんな所でボーっとして。ツッ君も手伝う?」
 
そんないつも通りの母に、俺はひたすらわたわたするしかない。
 
 
「母さん・・・その・・・そこにいるイタリア人って・・・・・・」
 
すると母は「何言ってるのよ〜」と言って次の瞬間、爆弾発言をかました。
 
 
 
「ザンザス君じゃない。ツナのお友達でしょ?なんでも遠い親戚だそうじゃない。今晩泊まっていくそうだから、ツッ君の部屋に寝かせてあげてね♪」
 
 
 
・・・・・・・・・・・・はいぃ????!!!!
 
 
 
いやいやいやちょっと待て!!
何だって?ザンザスが俺のお友達?!・・・まぁ、遠い親戚ってのは間違っていないようなでも9代目の実子じゃないならそれも違うような・・・・・・とにかく、最後に母さんは何て言った・・・?
ザンザスが泊まっていく?ウチに?
そして俺の部屋で寝る?
 

だってだって、この前まで本気で殺しあってたんだよ??!!
てか本気で殺されそうになったんだよ??!!
 
でも、無事だったんだ・・・。
実はあの後、ザンザス達の処分がどうなったか気になったけどリボーンは教えてくれなかったから、ちょっとホッとしてるのも事実。ホントにちょっとだけど。
 
・・・でも、何でザンザスがウチに泊まりに?
 
 
 
 
 
 
「あの・・・ザンザス・・・さん・・・?」
 
ん?さん?でも呼び捨てはどうだろう・・・。
 
 
するとザンザスはハンバーグを作る手を止め、こちらを向いた。
 
 
「ザンザスでいい。沢田綱吉」
 
「えと・・・俺の事も綱吉とかツナでいいです・・・」
 
そんなぎこちない雰囲気を、明るい声が吹き飛ばした。
 
 
「2人とも、なに初対面みたいな会話してるの?・・・よし、終わりっ。後は焼くだけね。ザンザス君、お手伝いありがとねvご飯できたら呼ぶから、それまでツッ君の部屋で2人でくつろいでていいわよ♪」
 
ちょっ・・・待って母さん!!
そんな、無理だから!!くつろげないから!!むしろ今でも胃に穴があきそうなんですけど?!
 
そんな俺の心の声もむなしく、いつの間にか俺は母さんの言う通りザンザスと2人、部屋にいた。
 
 
 
 
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