記念品小説

□ホワイトクリスマス
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「24か25のどっちかでいいんだ、空けられない?」
 
 
切なそうにそう頼まれて、断れるはずがなかった。
 
25日は簡単だが仕事が入っていたため、24日なら空いているというと、恋人はなんとも嬉しそうに笑った。
 
 
 
 
 

 
そして24日。
 
綱吉の元へ行こうとした時、事は起こった。
 
 
 
 
ザンザスは苛立っていた。
 
もちろん、目の前で勝ち誇ったように笑っている血の繋がらない父親に。
 
実は今朝、出かけようとしたザンザスの元にスクアーロが来た。
そして突然仕事を持ってきたのだ。
今日はオフだからと無視しようとしたザンザスだが、目の前に死炎印つきの勅令を差し出される。
それは明らかに9代目の死ぬ気の炎だった。
 
ヴァリアーとてボンゴレ。
しかもリング争奪戦で厳重注意を受けたばかり。
これ以上逆らう事は許されない。
 
今はまだ早朝。
どうせすぐに終わる、いや終わらせてみせると思い、ザンザスは私有のジェット機でイタリアへと向かった。
これを利用すれば、数時間でイタリアと日本とを行き来できるのだ。
去り際にスクアーロをボコる事も忘れず、ザンザスは日本を発った。
 
ツナは携帯電話を持っていないため、連絡のしようがないのだ。
いつもはザンザスが気まぐれでツナの元へ行くのでなんとか使わずに済んだ。
だが今回は急ぎだったので、ツナの所へ行き事情を伝えてから発つより、早く用事を済ませてそれから会いに行った方がいいとザンザスはふんだのだ。
 
 
いくらヴァリアーボスだとか超直感の持ち主といえど、所詮は人間。
間違う事はあるのだ。
 
そして今回が、それだった。
 
 
 
 
物凄い勢いで離陸するジェット機を鼻の出血を押さえて見送りながら、スクアーロは一抹の不安を覚えた。
 
 
 
 
 
 
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