記念品小説

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※10年後もツナは普通にボンゴレ10代目やってます。
 シリアスにしたくないという管理人の我が侭で自分勝手な設定です。
 原作重視や捏造が嫌いな方はお気をつけ下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
――ドオォォン!!
 
 
 
「……ここは…10年前か?」

 
まだ煙が晴れない中、男はそう言った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いつものようにツナの部屋に来たザンザス。
何をするでもなく、ただゴロゴロしていた。というかイチャイチャしていた。
 
「ちょっ、ザンザス、どこ触ってんの?!」
 
「今更だろ」
 
そう言う彼の手はツナの腰からだんだん下へ下がっていく。
 
そこへ……
 
「ガハハハハ!!この餃子はランボさんのだもんね〜!!」
 
騒ぎながらランボが入って来た。
なんというタイミングの悪さ。いや、ツナにとっては助かったのだが。
だがザンザスの睨みつける先には、その視線に気づきすっかり怯えてしまったランボの姿が。
そして憤怒の炎がともされたのを見るや否や、やはりいつものように10年バズーカを取り出して撃った。
 
だが混乱していたのか、なんと標準が全くの逆、つまりザンザスになってしまったのだ。
 
ツナが止める間もなく発射。
不意をつかれたザンザスは避けきれず、結局直撃してしまった。
 
 
それから煙がたちこめる。
 
 
「……ここは…10年前か?」
 
 
ツナは呆気に取られてその場にへたり込むしかなかった。
 
 
 
 
もしかして、もしかしなくとも……
 
 
「ザ…ザンザス…?」
 
 
煙が晴れると、その姿がはっきりしてきた。
 
 
「……………」
 
ツナは思わず息を飲んだ。
そこにいるのは10年後のザンザスのはずだ。
確かに、相変わらず全体的に真っ黒だし羽飾りも傷跡もある。
深紅の瞳も同じだ。
 
だが、今とは違い下ろされた前髪、さらに大人になった顔。
そして何より、その雰囲気が全く変わっていた。
 
 
 
「10年前の綱吉、か」
 
声も心なしか低く渋くなっている。
まだ呆けているツナに10年後のザンザスが近づく。
 
「…あまり変わらないな」
 
その言葉で我に返る。
 
「変わらないって……10年たっても俺あんまり変化ないって事?!」
 
「…まぁ、色気は増したかもな」
 
「………そ…そう……」
 
嬉しいような嬉しくないようなである。
 
「ザンザスは…30過ぎだよね…?」
 
「ぁあ?だから何だ」
 
どうやら三十路過ぎている事を気にしているらしいザンザスだが、ツナにはとても彼が歳相応には見えなかった。
 
「ホントに34?だって30過ぎっていったらもっとオジサンじゃないの?」
 
「不満か?」
 
「ううん!!すっごくカッコイイ!!」
 
「そ…そうか…」
 
少し照れているようなザンザスが何だか愛しくて、思わず抱きつく。
 
「ザンザスは変わったね」
 
「そうか?」
 
「うん。髪型とかもそうなんだけど、何より雰囲気!!というかオーラ?」
 
「オーラ?」
 
「前…というか今のザンザスって、こう…誰も俺に近づくな、みたいなすごく刺々しい感じじゃん?」
 
「…………」
 
「だけど、今俺の前にいるザンザスはすごく丸くなってる。まとう雰囲気が優しくなったよ」
 
「そうか…?」
 
「うんっ」と言ってさらにぎゅ〜っと抱きつくツナ。
それに応えるように彼の背に手を回そうとしたザンザス。
だが、突然ツナがバッと離れた。
不思議に思って見ると、何だか気まずそうな顔をされた。
 
「どうした?」
 
「いや……思わず抱きついちゃったけど、そういえば10年後はどうなってるかわからないんだよね…」
 
「どういう意味だ?」
 
「だから、10年後はもしかしたら関係が変わってるのかも……なんて…」
 
アハハと乾いた笑いをするツナを、今度はザンザスが抱きしめる。
 
「ザ…ンザス?」
 
「カスが。……まぁ、変わったといえば変わったがな」
 
「えっ?!」
 
不安そうに顔を上げるツナ。
そんな彼にザンザスは優しく口づけた。
そして触れるだけですぐに離す。
 
「さらに深くなったな、……いろいろと」
 
真っ赤になり硬直しているツナを見て、意味ありげにニヤリと笑うザンザス。
そんな顔は、今も未来も変わっていなかった。
 
 
 
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