ミュータント・タートルズ

□後悔と…
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目の前にある、二振りの

折られた刀。

それを握りしめ、戦う主は

もういない。



〜後悔と…〜



あの時のオレは

どうかしてたのかも知れない。

掟を破った事を戒める

アイツに対して、

湧き上がった、煮えくり返るような一時的な感情。

その感情を抑えきれなくて

ぶつけた結果がこれだ。

なぜレオが我が家を離れて

一人ジャングルに修行に行ったのか、

分かってたはずなのに…

オレは

無情にもアイツの武器を

この手でへし折ってしまった。

サイを地面に打ちつけ、

押さえ込んだときの

アイツの顔が、

頭から離れない。




どうしてあの時、あの場から逃げたんだろう…

ニューヨークには、

化け物がいるって

知ってたのに。



「ーーーうわあぁぁぁぁぁっ!」

背後で聞こえた、アイツの悲鳴。

まさか、と思って

駆けつけると

時、既に遅しで。

化け物がぐったりとしたアイツを、担いで去っていく。

青い鉢巻を、肩になびかせながら。


必死に走って

名を叫んで

追いかけるけれど、

全然追いつかなくて。


後悔と自責の念が

オレの心を締め付ける。
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