CP小説
□愛する事
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「え…?今なんて…?」
背中を向けていた社長はゆっくりと振り返り、もう一度言った。
「エリックのマンションへ引っ越せ」
「どうして、そんな…?」
「もう手配はしてある」
「ちょっと待って下さい!」
「お前が不満なのも納得できないのも良く分かる」
「じゃあ…」
「神話で暫く活動出来ないからだ」
「それとどう関係が…?」
「ファンの間で人気あるだろ?お前とエリックは…」
「…」
「少しでもファンを手放さない為だ」
「でも…」
「お前がエリックを苦手なのは良く解ってる。だけど暫くだ。暫く我慢してくれ」
【そうじゃ…ない】
俺は社長室を出ると壁に身体を預け、項垂れた。
違う。
エリックが嫌いとかじゃなく、俺達は終わったんだ。
もう1年も前に終わった。
エリックに憧れて…
同じ男だと言う事も忘れて俺はエリックを好きになった。
そしてエリックから真剣な告白を受けて、付き合い始めた。
だけどその関係は長くは続かない。
女と付き合った経験しかない俺にはどうしても我慢できなくなった。