CP小説
□熱病
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それは、俺がヘソンを【欲しい】と思ってしまったから…
届かない物を欲しいと思ってしまった時から俺の苦痛は始まった。
「なぁ、エリック、エリックってば」
「ん?」
出来るだけヘソンを見なくて済む様にソファーで寝転んでいる俺にヘソンは話しかけてくる。
「俺、どう?」
「え?」
「この髪型でいいかな?」
「いいんじゃね?」
俺はヘソンをあまり見ないように答えた。
「ちゃんと見てよ」
「眠い…」
そう言って再び俺は目を閉じた。
「チェッ…」
ヘソンはそう言って俺の肩に置いていた手を離す。
【エリックはいつも寝てる】
いつからか、そう言われる様になった。
この方法が一番いい。
起きていて、ヘソンを見なければならないのなら目を閉じてしまえばいい。
そうすれば、苦痛も最小限で済む。
耳から流れ込んでくるヘソンの声を子守唄に俺は目を閉じる。
こんな日々をどれくらい過ごしただろう?
ある日、ヘソンが突然俺の部屋を訪ねてきた。
「飯、食おうぜ!久しぶりに作ってやるよ!」
不意打ちのヘソンの笑顔。
心の準備も出来ていない。