小説1

□哀傷
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あれ?ここはどこだろ?もしかして前に住んでた家?一美姉ちゃんと父さんがいる。帰ってきたんだ。
僕ずっと逢いたかったんだよ。それで二人に話したいことがたくさんあるんだ。父さん、今僕ちゃんと毎日学校に行ってるよ!一美姉ちゃん、学校でとっても面白い奴と知り合ったんだ!今度逢わせてあげるよ!えっと、それでね。たくさんあり過ぎて困っちゃうな。
え?もう帰っちゃうの?まだ母さんには合ってないじゃん。やだ、もっといてよ!久しぶりに会えたのに!だったら僕も一緒に行く!なんで駄目なの?行かないでよ!僕を置いてかないでよ!


「歩。」

秋本?あれ?僕は確か一美姉ちゃんと父さんといて・・・。そうか、夢だったんだ。

「大丈夫か?なんか恐い夢でも見てたんか?涙流しながら、うなされとったで。」

「一美姉ちゃんと父さんに会ってたんだ。でも、一美姉ちゃんたちはすぐにどっかにいっちゃって・・・。僕は、また・・・、置いてかれた。」

大粒の涙が次々に頬を伝う。

「秋本。秋本は僕を、置いてかないでくれ、よ。僕を一人にしないで、くれ、よ。」

言葉に鳴咽が混じり、途切れ途切れになってしまった。

「うん。俺は、いつでも、いつまでも歩の傍におるから。ずっと歩の傍におるから。」

秋本は優しく抱きしめてくれた。秋本の匂いは僕を落ち着かせる。僕は秋本の胸に顔をうずめて泣き続けた。

END





後書き
こんな在り来りな内容ですみません!
毎度のことながら駄文ではありましたが、読んで頂きありがとうございました。
管理人

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