▽short
□背中しか見えない
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阿部君は、いつも背中しか見えない。
キャッチャーだからベンチには背中を向けてるし。
気付いたらいつも後ろ姿。
たまに話すけどふと阿部君を見た時はやっぱり背中。
何か、凄い安心出来るような背中。
「頑張ってね」
私がそう言っても阿部君は背を向けたままで静かに
「おう、‥サンキュ」
と言うだけだ。
向き合う事と言えば真面目な会話をする時くらいかもしれない。
でも、そんな阿部君の背中が私は好きだった。
何でだろうね。
「頑張ってね阿部君!」
「サンキュ」
今日も、私は彼の背中を追うのです。
背中しか見えない
(アイツと向き合うなんて、出来ない。
俺が焦ってるのが、バレそうで)
(好き、なんだ)
60000打企画‐背中しか見えない