▽short
□廻れメリーゴランド
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いつからか俺達はすれ違うようになっていた。
どうしてこうなってしまったのか。それは、あいつが俺を好きだと言ってからだ。
"両想い"
嬉しいはずなのに、素直に喜べない俺がここにいる。
何故かあいつを避けようとする俺が憎い。
「孝介」
「………」
そんな辛そうな顔すんなよ‥。
「どうして私を避けるの…?」
今にも泣きそうな顔をしている。
「あの時孝介も好きって言ってくれたじゃない‥!もしかして、嘘、だった…の?」
「っ、違う…!」
じゃあどうして?
俺は自分にそう聞いてしまった。
「じゃあ、どうして‥」
「……怖いんだと、思う」
「怖い‥?」
「俺は、この間までの距離が心地よかった。‥けど、何か、それが壊れそうで…嫌だったんだ…」
「‥孝介」
女々しい、自分でもそう思う。
「大丈夫だよ、その時はその時」
「………」
「孝介。私と、付き合ってください」
廻れメリーゴーランド
(廻るから、すれ違う)
60000打企画‐廻れメリーゴーランド