◇other
□彼と見ている
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「綺麗だなー‥」
「うん…、キレイ」
トワイライトタウン‥―
ここは太陽の昇る朝も、
闇のない昼も、真っ暗な筈の
夜だって関係無く…いつまでも
夕焼けに照らされる町。
ここに来るといつもロクサスの事を思い出す。
そう、彼のノーバディーであるロクサスを。
「ソラ…、知ってる?」
「ん?」
今‥ロクサスは私を見ているだろうか。
「ここから見える夕陽はね」
あの時 言ってくれた。
「大切な人と見ると」
“例え離ればなれになっても”
「いつもより綺麗に見えるんだよ」
“お前は絶対に俺から消えない”
「へぇ‥」
「…どう? 綺麗に見える??」
ソラはコクリと頷いてくれた。
嗚呼、もし今の頷きが冗談でないのなら‥
私は今、誰と夕陽を見ているのだろう?
ソラなのか…それともロクサスなのか。
「好きだよ。」
彼と見ている
((俺も、大好き。))
( えっ? )
その時 聞こえた彼の声は
空耳なのだろうか。
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