「何これ?」 「何、って‥チョコだけど」 今日はバレンタインだというのに、目の前にいる私の幼馴染みは何を惚けているのだろう。 この日に女子が男子に渡す物といえばチョコしかないんじゃないの? 「え!?」 彼は暫くの沈黙の後、目を見開いた。 「お前が…俺に!?」 「‥悪い?」 というか恥ずかしいから早く受け取ってよね、柄でもないのに。 「もしかしていらない、とか?」 「……毒入り?」 「………」 「冗談だって!」 全く、失礼な奴だ。 「もういい。花井君にあげよーっと」 「っダメだ!!」 突然大きな声を出す幼馴染みに少し驚いて溜め息をついた。 「何で?」 「…花井は、ダメ」 「じゃあ誰なら良いの」 「誰もダメ!お前のチョコを貰っていいのは俺だけだからな!!」 「……は」 何を言い出すんだ。 「まだわかんねぇの‥?」 恥ずかしいんだぞ、と目を逸らして一息つく彼。 「俺は、お前が好きなんだ!」 ちょっと黙って、恥ずかしい。 (…あっそ)(な、何だよそれ!) ‐‐‐ 2月の拍手お礼は田島君(・ω・) そっけない幼馴染み(ヒロイン)ですが田島君のことが好きだからチョコをあげたのです。 (20110201) |