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□卯年だからってそれはない
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「はっぴーにゅーいやー!」

新年早々、私は元希の家に押し掛けた。

「うおっ‥お、おう、明けましておめでとさん」

「今年もよろしくねっ」

「ん、まぁ上がってけよ」

「最初からそのつもり」

お邪魔しまーす、と私は元希を追って家に上がらせてもらう。

「去年は色々大変だったね〜」

「そうか?大変じゃない年なんてないから普通だろ」

「まぁそうだけどさ‥」

だろ?と言って元希は鞄を探り始めた。

「元希…?」

「お、あった」

「?」

元希はニヤリと口角を上げる。

「ちょっと目、閉じてろ」

「う‥うん」

私が目を閉じると元希の気配が近付いて来たのが分かる。

「ちょ、何これ…!」

何か頭に違和感がある、何をつけられたんだろう。

「ほい」

もういいぞ、と言われて直ぐに目を開く。

「へへっ!意外と似合うなお前」

「?」

「ちょっと写真撮ろうぜ」

元希は携帯のカメラを起動させて私の横に肩を並べた。

「な…なんなの」

私の肩に手を回してはいチーズ、と笑う元希の写真にはきっと私は眉をしかめているだろう。

「ほれ」

元希が写真を見せてくれて私は発狂した。

「ちょっと何よこれ!消して!!」

頭につけられたのはうさ耳カチューシャだった。

「やーだねっ」

私はカチューシャを取って元希に投げつけた。

「消してってば!!」

「嫌だ。だってお前かわいいもん」

永久保存だな、と元希が笑う。

「ばかーーーっ!」












卯年だからってそれはない

(こいつは俺の獲物)



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2011年の拍手お礼夢トップバッターは榛名君でした〜

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