丸井 ブン太連載

□five
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覚悟を決めて来た教室。


「丸井君、今フリーってマジ?」


ほら来た。


「今度、どっか遊び行こうよ。」


…あぁ。マジでうぜぇ。


普段ならこんな風には思わない。
むしろ、俺の周りに人が集まってくるのとか、大歓迎なんだけど。


やっぱり今日は、俺の中の何かが違ってる。


“普通”で居る事がこんなにも難しいなんて…。



初めて知った気がする。




こんな、らしくない俺を見て、周りの女たちは何だかキャアキャア言ってたりもする。


自惚れてるわけじゃないけど、俺は女子からの人気はあるみたいだ。


だから、こうして今、騒がしい奴らに取り囲まれてるんだけど…。


何かを言ったら、この今の俺の中にある感情を抑える事が出来そうに無かったから。



俺はうまい事の一つも言えずに、ただ時間が過ぎていくのを待った。



つくり笑いも上手く出来ない俺。






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