丸井 ブン太連載

□two
3ページ/5ページ



「何か、二人とも眠そうっすねぇ。」

俺と仁王の顔を交互に見て、赤也が言った。

「まーったく、先輩たち、女に色ボケしてるんじゃないっすか?」

先輩を先輩とも思ってないであろう発言も、

「偉くなったのぅ、赤也。」

年上って事で、許してやる。


学校までの道のりを三人で歩く。
いつも“朝は苦手”って言ってる赤也がやけに今日はテンション高くて、うるさい位だ。



「丸井先輩、アレ。」

さっきまで、昨日見たテレビがどうとか言ってた赤也が何かに気づいて、俺に言った。

「……。」

赤也の指差す先には、

今、一番会いたくない人が居た。




ワザと気づかないふりをした。

昨日の今日で、落ち着いて話しなんて出来るとは思わなかったし。





次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ