丸井 ブン太連載
□two
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「何か、二人とも眠そうっすねぇ。」
俺と仁王の顔を交互に見て、赤也が言った。
「まーったく、先輩たち、女に色ボケしてるんじゃないっすか?」
先輩を先輩とも思ってないであろう発言も、
「偉くなったのぅ、赤也。」
年上って事で、許してやる。
学校までの道のりを三人で歩く。
いつも“朝は苦手”って言ってる赤也がやけに今日はテンション高くて、うるさい位だ。
「丸井先輩、アレ。」
さっきまで、昨日見たテレビがどうとか言ってた赤也が何かに気づいて、俺に言った。
「……。」
赤也の指差す先には、
今、一番会いたくない人が居た。
ワザと気づかないふりをした。
昨日の今日で、落ち着いて話しなんて出来るとは思わなかったし。
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