丸井 ブン太連載
□two
2ページ/5ページ
...あぁ、マジで眠い。
こんな日だって、部活をサボるなんて出来ない。
全国優勝って目標もあるし。
おっかねぇ副部長居るし…。さすがに、ビンタは喰らいたくねぇし。
俺の前を、銀色の髪した背の高い男が歩いてる。こんな色の頭の奴なんて、こいつしか居ない。
仁王 雅治だ。
「オハヨっす。」
「オハヨウサン。」
そう言って、こっちを向いた仁王の顔が物凄く眠そうだった。いつもにも増して。
「ってか、眠そうじゃね?」
理由なんて聞かなくても分かる。
「あー。彼女?」
「そうじゃ。」
仁王には、もう長く付き合ってる女が居る。ある意味、いや、いろんな意味で感心してしまう。
「なんじゃ、お前さんも眠そうな顔しとるのぅ。」
「…まぁね。」
昨日の事、今はまだ話す気になれず、俺は遠くを見た。
…ま、きっと仁王の事だから、何かあったって事位は気づいてるんだろうけど。
「おっ!はよーっす!!」
俺たちの後ろから、デカイ声あげて駆け寄ってきたのは、切原 赤也。
二年のくせに、レギュラーだからか、先輩とか後輩ってのがあまりない。
→