丸井 ブン太連載

□eleven
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携帯を見つめるアタシの隣りで、頬杖をつきながら仁王はこっちを見てた。


“腐れ縁”


とでも言うのかしら。


家もお隣りさんなら、席までお隣り同士。


別に、アタシに迷惑かけるワケでもないし、構わないんだけどね。


仁王も退屈みたいで、チラリと見てやれれば、目が合って…


ニヤリと笑った。


「お前さんの王子様にでも、メールしてみたらどうじゃ?」


周りには聞こえない位の声でアタシにそう言ってまた、いつもの笑み。


茶化してるのか、マジで言ってるのか判断に困る。



「王子様も待ってるかもしれんよ?お姫様からの愛の言葉。」


「何よ、ソレ。」


いつもこうだ。


妙な言い方して…


人の感情逆撫でするような…。


けど、ちゃんと解ってる。


だって、


アタシと“雅治”は、



“幼なじみ”だから。








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