■SS02■
□送迎…SIDE:B
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今日も子供の迎えに行く時間がきた。
何も言わず、当たり前のように俺は車に乗り込む。
あぁ、今日もまた困ったような少しイライラした多田の顔が見られるんだ。
由良をひざに乗せると軽トラックは由良の住む高層マンションへと走りだす。
わずか30分の道のり。
毎度のように多田はいらついている。
本人は隠しているみたいだが、俺にはバレバレ。
やめようと思えばいつでもやめられる。
たんに俺が事務所に残ってついてこなければいい。
さすがの多田だって、それくらいわかっているはずだ。