☆エド受☆

□目隠しの君
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ねぇ・・・・・・


君は・・・何処・・・・・・・


俺のたった一人の・・・・・・・・


君は何処?


どうして隠れてるの?


もうカクレンボは終わりにしよう


君が居ない??


君は隠れるのがうまいからね・・・・・・


え?違うって?


何が違うんだよ?


・・・・君がいない?


そんなわけない!!!


そんなわけねぇ!!!


嘘だ


嘘だ!!!


はやく出てこいよ!!


そんなにカクレンボが好きなのか?


しょうがねぇなぁ・・・・・・


もういいかい?


・・・・・・・・・・・・・


もういいかい??


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


もういいかい?


もういいかい・・・


もういいかい!!


もういいかい!!!
















真っ白なベッドの上でゆっくりとエドは目を覚ました。
目を覚ましたはずなのに、目の前に映るものはなにもない。
目に入ってくるのは光・・・・・
それによってわかるのは今が夜ではないということだけだった。
エドは上半身を起こし、無言でそのまま何も見えない目で何処かを見つめていた。
そこに声だけが響く・・・・・・
「・・・具合はどうだ?」
「・・・大佐・・・??・・・だいぶいいよ。いい加減病院からだしてくれよ〜。体鈍ってしょうがねぇじゃん」
「まだ包帯もとれてないのに何言ってるんだ。おとなしく寝てないと治るものも治らんぞ鋼の・・・・・・」
エドは口を尖らせて不服を訴える。
ロイは一つため息をつくとクイッとエドの頬を引っ張った。
「痛ぇーー!!離せよ!!」
「離してほしかったらそれ以上文句を言うな・・・・・・」
「わかったよ〜。それより仕事はいいのかよ?」
「昼休みなので来たんだよ。」
「ってことは今、昼か・・・」
そこへ「お食事で〜す」という声とともに看護婦が入ってくる。
看護婦はロイに一礼するとそこに食事を置いて次の部屋へと食事を運ぶ。
ロイは食事の入ったおぼんを持つと、エドのベッドの横の椅子へと腰かけた。
そしてロイはエドの口へと食べ物を運ぶ。
最近はそれが日課となっている。
昔は目の見えないエドの代わりに看護婦が食事を食べさせていたのだが、昼休みに必ず見舞いにくるロイがその役を買って出てからはこうなったのだ。
最初は「大佐に食べさせてもらうのなんかまっぴらごめんだ」と言い張っていたエドも今では素直に与えられたものを口にいれるようになっていた。
「もういらねぇ」
三口ほど食事を口にした後エドはそう言って食べ物を拒んだ。
「ちゃんと栄養をつけないと治らないぞ。一刻もはやく退院したいのだろう?」
「・・・うっ・・・でも食いたくねぇんだもん。大丈夫だって一食くらい抜いても人間死にやしないんだから・・・」
「病人の言う台詞ではないな・・・・」
「だってよ〜・・・!!っていうか俺、病人じゃなくて怪我人だし・・・」
そう言って渋々ロイの差し出したおかゆをパクリと食べる。

これでもまだエドは食べるようになったほうだ。
看護婦がエドに食べさせていたときはたった一口食べただけで「今日は食べてくれるのね。」と看護婦が笑みで言うほどだった。
一口も口にしないことが何日も続くこともあった。
無理に食べさせてももどしてしまうだけ、その時はもう点滴に頼るしかなく、看護婦はそんなエドを複雑な顔で見つめていた。
医者は精神的なものからくる拒食症だろうと言った。
何処かで嫌な記憶を覚えているのかもしれないと・・・・・・
それを聞いたロイがなんとか食べさせようと自ら食事を食べさせる役を買って出たのだ。
そして、今の状態にいたる。
今はもう目以外は健康な人とあまり変わらない・・・・・・・いや・・・・・体は健康だった。

「それにしてもよー。俺の目の包帯いったいいつとれるんだよ?・・・・・俺はこんなところで油売ってる暇なんてな・・・・・・いや・・・・・・暇人だけど・・・・・とにかくじっとしてるのは性にあわねぇんだよ!!」
食事を食べ終えたエドはロイに愚痴をこぼす。
「そのうちとれるさ。だから今はおとなしくしていたまえ。」
「いっつもそのうちって言ってるだろ?そのうちっていつ?何時何分何秒!!!」
「それは私ではなく医者に言ってくれ、それが一番正確だろ?」
そう言うと、ロイは椅子から立ち上がった。
椅子のカタンと言う音を聞いてエドは帰るのかとたずねる。
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